白い胴着に長い袴姿。五人単位での動作のすべてが、ゆったりとしながら調和がとれている。そんな光景に憧れて、弓道に関心を持った方は多いと思います。
対する相手は、動かない的です。ゆったりとした流れるような動き。引き絞った弦に込められた平衡感覚、そして裂ぱくの気合で放たれた矢。パーンッという音は、暫くしてから道場に響きます。
これらすべての動きは、「射法八節」の中に込められており、弓道修練の第一歩は、歩き方、座り方、立ち方、曲がり方から始まり、弓矢をなかなか持たせてもらえません。
弓矢を持たせてもらえるようになると、礼法、射義の修練に入ります。
どこの弓道場にも、必ず掲示されている『礼記射義』『射法訓』ですが、講習会などでは、受講者全員が正座して、大きな声で唱和してから行事が始まりますので、自然に覚えます。
これには、弓道の礼法に関わる基本精神と、弓道修練の基本理念が込められているのです。
「礼に始まり、礼に終わるのが、日本古来の武道」といわれますが、弓道の理念には、日本古来の神道、礼式の規範としての儒教、そして武士道の精神を兼ね備えた射法訓が、仏教の教えと共に、凝縮した形で込められているのです。
心を冷静に、いつも正しい射を求めて矢を射るのです。的中をのみ求める射は、卑しい射と断ぜられます。結果のみではなく、修練の過程をより重視するのが、弓道の基本といえましょう。
では実際に、的に向かって矢を放つには、どうすればいいのでしょう。
現在、福山市内には、公営の弓道場は一か所しかありません。竹ヶ端運動公園内の野球場と並ぶ、総合グラウンド場南隣に建つ『福山弓道場』が、それです。
創設が平成元年でしたから、もう築後25年になりますが、公式大会が開催できる立派な道場です。そこで定期的に練習をする福山市弓道連盟に所属する会員は、中高生・一般含め、200人を上回っています。
福山市弓道連盟では、全くの初心者のための『弓道教室』を、年一回実施しております。6/初~8/上の毎週土曜日、一回2時間、計10回20時間で、何とか矢を放てるように、徹底指導致します。